20120106

最新の医療機器が導入できないデバイス・ラグ

糖尿病患者で、食事や運動、内服薬だけでは血糖値が安定しない人は、血糖値をコントロールするホルモンであるインスリンを補充する必要があります。一般的には、毎食前と就寝前の4回、腹部や太ももの皮下に自分で注射を行います。

このインスリンの補充を寄り簡便にできるように工夫したのが、世界で60万人の患者が使用している「インスリンポンプ」です。食事に関係なく必要なインスリンを24時間持続的に注入するとともに、食事前には食べる量に応じた必要量を、ボタン一つで追加注入できる優れものです。

インスリン補充を必要とする糖尿病患者であれば、誰でもポンプを使うメリットがあります。いくら自己注射を真面目にやっても、血糖の今ロールが上手くいかない患者は少なくありません。自己注射よりもポンプのほうが毎月のコストは多少かかりますが、症状が悪化して起こる合併症(腎臓病や網膜症、心臓病など)の治療に必要コストに比べれば、あってないようなものです。

しかし、このインスリンポンプの日本国内における使用者は、アメリカの30万人に対してたったの3千人にも満たないのです。この背景には日本の医療機器審査の遅れがあります。医薬品や医療機器は、国の審査を受ける必要があります。現在、日本で使用できるインスリンポンプは、国内外のメーカーを合わせて3種類あります。最も新しい海外メーカーのものは、個人の生活状況に応じて、時間ごとに基礎インスリンの注入量をプログラムできる機能がついてます。

しかし、世界はもっと進んでいます。皮下に留置した小さな持続血糖測定装置(CGM)のデータを伝播で発信し、その数値をポンプ本体に表示できるもの。インスリンを注入するチューブがなく、ポンプ本体を体に貼り付けるだけで使用できるものまで様々です。